スポーツを取り巻くギャンブル企業
私は35年以上日本語とドイツ語の通訳をしています。2002年の日韓ワールドカップではドイツ代表チームに通訳を務めました。Jリーグでも浦和レッズの監督通訳を務めていました。
大谷翔平選手の専属通訳水原一平さんが違法賭博に関与したとのことで解雇されたという報道を見てびっくりしました。通訳というのは言葉を訳すのではなく言葉の奥にある想いを伝えます。水原さんは大谷選手の想いを見事に表現されていたと思います。そんな彼が陥ったとされるギャンブル依存症は本当に怖いです。
最近ではベルギー、デンマーク、イングランドではスポーツ賭博を運営している企業がサッカークラブの経営に携わり好成績を上げています。豊富なデータを戦術やスカウトに活かしています。今回の事件はそのような良い関係に水を差しかねないものだと残念に思います。
ドイツフットボールリーグ(DFL)は選手が試合操作やギャンブル依存症になったりしないよう対応策を取っています。*¹選手に対する教育は日本でもしっかりやっています。他の国でもやっていると推察します。しかしそれでもギャンブル依存症になるサッカー選手はいます。イタリア代表でイングランドのニューキャッスル所属のSandro Tonaliは昨年10月に国際サッカー連盟から10か月のすべての大会への出場禁止処分が下されました。*²
はまってしまうと抜け出せなくなる、そしてすべてを失ってしまうギャンブルは本当に怖いです。
あれほど素晴らしい通訳をしていた水原一平さんですが大谷翔平さんの通訳に復帰することはもうないでしょう。
本当に残念です。私たちの身の周りにもギャンブルは沢山あります。明日は我が身になります。
十分気を付けましょう
参考
*¹:https://www.gemeinsam-gegen-spielmanipulation.de/de/
*²https://www.kicker.de/FIFA-best-tigt-Tonalis-Sperre-f-r-alle-Wettbewerbe-976079/artikel